学名と種の話
飲んで遅く帰った時以外は、毎日更新できるように頑張ります。
樹木医試験ネタかは、微妙だけれども‘種’の話。
専攻が生物系じゃない人間にとって意外とあやふやな概念
たぶん、皆さんご存知の一番オーソドックスな種の概念は、「父親と母親の間に子供できてその子供が子供を作る能力があるか」ではないでしょうか。
ライオンと虎の雑種のレオポンってのがいるらしい。
同じネコ科の動物だからね
でもレオポンは、自体には生殖能力がなかった。
つまり、レオポンは種とは認められない。
ロバと馬の雑種のラバもそう。
ここで引っかかるのが‘雑種’という日本語。
雑種だから種じゃないの?という疑問があるかもしれなけれども
雑種という日本語は、決して種の存在を肯定している日本語じゃない。
ただの合の子って意味ですね。
つまり、雑種出できたものは、種とは限らない。
じゃあ、‘種’ってなんなのよってお話になりますが、実は定義がたくさんあって前述した子供が出来ないってのも1つの定義でその他にもたくさんの定義がある。
今わかっている時点で、20以上の定義がなされているそうですね。
こんなにも沢山の定義がされている訳は、作った定義がすべての生物に当てはまらないためだそうです。
それほど、生物に対しての定義というものさしを当てて判断することは、難しい。
どうしても例外が出てきてしまうそうですね。
ここまでお話した内容が、いわゆる一般論としての種の定義(自分としては性質)の一つです。
ここからが、種に対して名前を付ける学名の話。
学名に関して簡単に言うと、世界共通の名前でスウェーデン人のカール・フォン・リンネ(通称リンネ)って人が考えた二名法って方法で名前を付ける。
ちなみにこの人の著作の「自然の体系」と「植物の種」ってやつがあって時々、聞かれるね。
読まなくてもいいとは思うけど、最低限の知識として知っておくといいかも、
この二名法は、簡単にいうと名前の通り、2種類で名前をつけろって意味です。
具体的にいうとヤマザクラを学名で言うと
Cerasus jamasakura ってなる。
前半部分のCerasus ってのが属名でjamasakuraってのが種小名っていう。
なぜ、こんなめんどくさい書き方をするのかと言うと、
生物としての系統が近いものに同じ属名を付けることによってひと目で近い種であるとわかるようにするためですね。
ちなみにオオシマザクラは、
Cerasus speciosa
で、同じサクラ属なのでCerasus を使っています。
属名については、研究が進んだり分類学者の見解やその他色々で、変わったりすることがありますね。
日本でもちょっと前まで、Prunusがつかわれていたり。
海外では、いまでもPrunus が多く使われていたりします。
ちなみにその他にも細かいルールがあって、ラテン語で付けることやイタリック体(斜体)で表記することなどが決められています。
学名は、先に論文で発表された名前が正しい。先取特権とか言います。
また、一つの種に複数つけられた名前のことをシノニム synonymといい日本語だと同物異名とか言ってsyn.で表記します。
逆に、同じ種だと思っていて複数の種類を当ててしまっていたときは、ホモニムhomoymといい日本語だと異物同名いいます。
こっちの略称は、あまり見ないです、おそらくhom.だとは思うのですが、自分は見たことないですね
これらのめんどくさいルールは、
動物だと国際動物命名規約
植物だと国際藻類・菌類・植物命名規約
に乗っているので、暇すぎて死にそうな人は、ぜひ読んでみてください。
ちなみにこの規約、6年に一回改定して現在は、深セン規約とよばれていたりします。
この前までは、メルボルン規約でした。
まとめると、
1.種は、生物の基本的な単位
2.学名は、種に対してつけられる。
3.学名は、リンネが提唱した二名法ってつけなければならず、種小名+属名をラテン語で命名してイタリック体で表記する。
4.学名は、先につけられたものが正しいものとして優先される。
5.植物の名前の付け方は、国際藻類・菌類・植物命名規約で規定されている。
長くなりましたが、まぁこんなかんじです。